東京地検の公訴取り消しを受け会見する牛田喬允弁護士(手前)=21日午後5時16分、東京・霞が関の司法記者クラブ、越田省吾撮影
「客観的証拠の重要性を軽んじていた」。東京地検立川支部が中国人の2人を誤って起訴した問題で、地検幹部が捜査の不備を認め、謝罪した。無実の2人の拘束は、3カ月以上に及んだ。被告とされた男性は「二度と過ちを起こさないで」と訴え、弁護側は徹底した検証を求めた。
東京地検、誤認起訴認める 傷害事件の公訴取り消し
「つらい経験」「悔しい」誤認起訴された2人のコメント
「イロハのイの捜査ができていなかった。情けない」。東京地検の落合義和次席検事は、会見で誤認起訴にいたった原因を問われると苦しい表情で話した。
公訴取り消しの決め手となったのは、逃走に使われたタクシーのドライブレコーダーに残った映像だ。関係者によると、男性2人とは別の3人組が映っており、2人にはゆかりのない神奈川県内の地名や2人が話せない韓国語のほか、「もう1回戻って殴るか」などと話す中国語のやりとりが録音されていた。八王子署は事件直後にレコーダーの存在を知りながら内容を確認せず、その後も引き継がれなかったとみられる。
落合次席によると、検察として…