トランプ氏の「米国第一」
米共和党の大統領候補に指名されたトランプ氏(70)が21日(日本時間22日)、オハイオ州で開かれた党全国大会で指名受諾演説をした。国民の現状への不満や怒りをすくい取るかのように、各分野で「米国第一」を追求すると主張。民主党のクリントン前国務長官(68)を既得権益層の「操り人形」と呼ぶ一方、自分はグローバル化や自由貿易のあおりを受けた人々を守ると訴え、「既得層との戦い」という対決構図をつくろうとした。
特集:米大統領選2016
■移民・TPPに反対
「我々がやろうとしているのはアメリカ・ファースト(米国第一)だ。グローバリズムでなく、アメリカニズム(米国主義)が信条になる」
共和党大会最終日の21日。真っ赤な「勝負ネクタイ」で登場したトランプ氏は、過去40年で最長となる75分間の指名受諾演説で、自説をまくし立てた。クリントン氏との最大の違いとして訴えたのは、「米国最優先」だった。
「家計収入は2000年から4千ドル(約42万円)も減った」「犯罪歴のある18万人の不法移民が、今夜も野放しで市民を脅かしている」と列挙し、「米国第一」こそが解決策だと力を込めた。
具体策として、特に時間を費やしたのが、共和党がこれまで掲げてきた自由貿易推進からの方針転換だ。
製造業の拠点が海外に移転した…