佐賀空港へつながる県道には、地元住民が設置した配備計画に反対するのぼりが掲げられている=佐賀市川副町犬井道
国が自衛隊オスプレイの佐賀空港(佐賀市)配備を佐賀県に要請してから、22日で2年になる。地元が受け入れるか見通せず、配備計画は進んでいない。カギを握るのは、日本一の生産量を誇るノリ漁などを営む地元漁協。防衛省や県とのやりとりが本格化する中、分断への懸念が広がりつつある。
佐賀空港がある佐賀市川副町の犬井道地区。空港から3キロほど、地区内の漁師らが所属する県有明海漁協南川副支所の前には「オスプレイ反対!」と書かれたのぼりがはためく。配備に反対する住民団体が6月下旬に設置した。
「知らん顔はできん。漁業者の意思の表れでもある」
漁協支所の幹部はこう話す。この地区ではノリ漁師も多い。オスプレイの駐機場整備などで漁場環境が変化し、ノリの生育が悪化するのではないか。「軍事基地化」への懸念を前面に出す住民団体とは一線を画すが、配備反対の立場は同じというわけだ。
配備計画の行方は、漁協の対応が大きく左右する。必要な土地は、南川副支所を含む4支所が所有しているからだ。漁協側は2年前から、ノリ漁への影響を理由に反対を貫いてきた。だが内実は一枚岩ではない。
南川副支所の幹部は今月、組合員からのぼりへの不満を聞かされた。「漁協内には賛成の人もいる。表だって言えないだけ」
足元を見るかのように、防衛省…