上半期の貿易収支は5年半ぶり黒字に
財務省が25日発表した2016年上半期(1~6月)の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆8142億円の黒字だった。10年下半期以来、11期(5年半)ぶりの黒字。東日本大震災後の原発停止で燃料油の輸入が増えるなどして赤字が続いたが、年初の原油価格の下落で輸入額が減り、久しぶりの黒字となった。
輸入額は前年同期比17・2%減の32兆7041億円。減少幅は09年下半期(31・2%減)以来の大きさだった。
輸出額は同8・7%減の34兆5183億円。最近の円高に加えて、新興国経済減速の影響が出た。スマートフォン関連部品を含む金属加工機械が減少。中国の過剰生産のあおりで鉄鋼も減った。財務省は「原油安で収支はプラスだが、貿易の実態として見通しが明るいわけではない」とする。