大和晃さんの父卓也さん(手前右)ら家族が県庁を訪れ、「納得できる捜索を」と要望した=25日午後4時4分、熊本市、金子淳撮影
熊本地震でただ一人安否不明となっている熊本学園大4年、大和晃(ひかる)さん(22)=熊本県阿蘇市=の家族が25日、県庁を訪れ、阿蘇大橋の崩落現場付近で晃さんの車と同じ色の車の一部を見つけたことを報告し、早く引き揚げてほしいと要望した。県側は前向きな姿勢を示したが、具体的な時期は明言しなかった。
不明学生の車か、両親らが発見 熊本地震・崩落現場下流
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晃さんの車と同じ黄色の車の一部は、晃さんの父卓也さん(58)と母忍さん(48)らが24日午後、南阿蘇村の阿蘇大橋の崩落現場から下流300~400メートルで発見した。大きな岩に挟まれ、車体の一部は水中に沈んだ状態だった。
県庁を訪れたのは、晃さんの父卓也さん(58)と母忍さん(48)、兄翔吾さん(24)。県の本田圭危機管理監らに「車を回収して、中に子どもがいるのかを確認したい」と求めた。
本田氏は「どういう方法があるのか現場を確認しなければいけない」と話し、二次災害に配慮しながら早期に引き揚げることを約束。県はこの日、県警と消防とともに、車の一部がある場所を確認したという。面会後、卓也さんは「思っていることを伝えられた。好天が続くうちに対応してほしい」と話した。
県は地震後から現場付近を捜索していたが、雨や余震による二次災害の恐れがあるため、5月1日で地上での捜索を中断し、6月に1日だけ実施。梅雨が明け、8月上旬にも再開することを決めていた。(小原智恵)