サブプールでの練習中、寒そうな様子を見せる酒井夏海=西畑志朗撮影
地球の反対側、南半球にあるブラジルはいま冬だ。リオデジャネイロ入りした日本代表選手たちは肌寒さに震えながら、五輪本番に向け調整を進めている。大会の開幕まであと10日だ。
特集:リオオリンピック
25日午後5時(日本時間26日午前5時)、競泳会場のサブプールで、瀬戸大也(22)や池江璃花子(16)らが練習を始めた。この日は日差しが強く、最高気温は28度まで上がった。だが、日没後は一気に冷え込み、夜8時には20度ほどに。プールサイドで肩をさすって震える選手もいた。
日本水泳連盟は選手たちに手袋やネックウォーマー、ニット帽を支給。首と背中部分に電気ヒーターがついたベストも配った。プールサイドに温かい飲み物を用意する。寒さが苦手と言う入江陵介(26)は「体を温めるように、日本からしょうが湯を持って来た」。池江も「日本とは全然違う寒さ。風邪を引かないようにしたい」と話す。
今年は7月中旬から下旬にかけて、寒波の影響で例年は27度程度の最高気温が20度ほどに。街には、薄手のコートを羽織るリオっ子たちの姿があった。現地ではインフルエンザ「H1N1型」も流行中。日本オリンピック委員会は選手たちに予防接種を推奨し、ほとんどの選手が接種を受けたという。
五輪が始まる8月も、震える日が続くのだろうか。
ブラジル国立気象研究所などによると、最高気温は平年よりやや低い25度前後で、曇りや雨の日が多くなりそうだという。(松本千聖、宮嶋加菜子)