薬師丸ひろ子さん=門間新弥撮影
7月30日放送のNHK終戦スペシャルドラマ「百合子さんの絵本」に主演する薬師丸ひろ子さん。駐スウェーデン陸軍武官の夫とともに、対米開戦が無謀であることなどの情報を本国に送り続けた実在の人物・小野寺百合子を演じた。インタビューでは、朝ドラ「あまちゃん」、そして人気を決定づけた1981年の映画「セーラー服と機関銃」についても語った。一問一答は次のとおり。
――今作は夫役の香川照之さんとの2人芝居が見ものです。
長回しのカメラで、せりふのテンポなど、多くの部分で私たちに任せて頂いた作品でした。
――戦争に対して、どんな考えを持ちながら撮影を?
自分たちで国を救わなければ、守らなければ、という、大義を背負った実在の人物であることはプレッシャーだった。けれど、心の中で思っていたのは「家族、愛すべき人たちが幸せであるための国が必要なんだ。そのために私たちは、どうすればいいのか」と考えていた。私は政治家でもないですし、平和とは結局のところ、そういう身近な人が幸せであること、大切にすることではないかと思うのです。実際、百合子さんは子供を置いて、夫とともに海外で頑張った。それは国のためでもあるけれど、家族が安心して暮らせる状況を作るためだったとも思います。
――夫婦げんかのシーンは圧巻でした。
スウェーデンで幸せに生きる人々を見た後、日本に住む子供から届いた手紙には「防空ずきんを作った」「ほしがりません、勝つまでは」と書かれていた。限界だったのでしょう。戦争のひどさが、あの夫婦げんかに凝縮されている。
――演じることの原点はやはり「セーラー服と機関銃」なのでしょうか? 随分と相米監督に厳しく指導されたとも聞きます。
そうみたいですね(笑)。とい…