日本のモータリゼーションを切り開いたトヨタ自動車「カローラ」が今秋、発売から半世紀を迎える。かつての大衆車は国内では主役の座を降りたが、海外では世界戦略車として活躍している。
「初代カローラは『80点主義+α』の思想のもとに開発を進め、大衆車の地位を築き上げた」。5日、千葉市の幕張メッセで、国内外の往年の車を集めた催し「オートモビルカウンシル2016」が始まり、トヨタの安井慎一常務理事がそう話した。
「花の冠」という意味のカローラは1966年11月発売。先行の「パブリカ」が質素すぎて売れなかった反省も踏まえ「プラス100ccの余裕」を持たせた。ライバルの日産サニーより一回り大きい1・1リットルエンジンを搭載。内外装のスポーティーさも売りに発売3年後に国内新車販売(軽自動車除く)で首位に立ち、2001年まで守った。
あらゆる点で合格点をとる「80点主義」。付け加えた「+α」は、時代にあわせてスポーツ性だったり、省エネだったり、高級感だったりした。
主な高速道路が整いつつあった72年、スポーツクーペの初代カローラレビンを発売。石油ショックさなかの74年に出した3代目カローラは、燃費向上と排ガス対策で改良を加えていった。バブル期に開発し91年に発売した7代目は、「高級・感動」をうたった。
会場を訪れた都内の会社員男性…