無罪判決を受け、支援者と抱き合う青木恵子さん(右)=10日午前11時6分、大阪市北区、上田潤撮影
事件から21年を経て、ようやくたどりついた無罪。青木恵子さん(52)は10日の大阪地裁での再審判決で宣告を受け、安堵(あんど)の表情を見せた。「同じような冤罪(えんざい)被害者をつくらないでほしい」。家族と歩むはずの時間を奪われた青木さんは、切なる望みを口にした。
小6焼死再審、母親と同居男性に無罪判決 大阪地裁
「被告人は無罪」
支援者らで埋まった大阪地裁201号法廷。午前10時過ぎ、西野吾一(ごいち)裁判長がこう告げると、証言台の前に立った青木さんは身じろぎ一つせずに法壇を見つめた。ワンピースの上にカーディガン姿。一礼して静かに席についた。
逮捕された当初、取調官から精神的に追い込まれ、8通の自供書と自白調書1通をとられた青木さん。弁護団とともに10日の判決に最も注目したのは、取り調べの違法性や過去の誤った司法判断への言及があるかどうかだった。
1999年、無実を訴える青木…