女子体操の韓国代表イ・ウンジュ(左)と北朝鮮ホン・ウンジョンが撮影した自撮り写真(イ・ウンジュ提供)
リオデジャネイロ五輪に出場した韓国と北朝鮮の女子体操選手が、スマートフォンで仲良く「自撮り」している画像がネット上で話題を呼んでいる。分断され、緊張状態が続く両国だが、「五輪のあるべき姿」との声が広がっている。
リオオリンピック
韓国代表はイ・ウンジュ(17)、北朝鮮代表はホン・ウンジョン(27)。イは以前、「跳馬のうまい選手が北朝鮮にいる」と聞き、ホンのことを知った。北朝鮮の選手と交流したことはなかったが、4日にあった本番会場での練習で同じグループに。その後「記念に一緒に写真を撮ろう」と誘った。ホンとはそれ以上に会話を交わさなかったが、試合中はハイタッチをしたり声援を送ったり、お互いを励まし合ったという。
2人が自撮りする写真は海外メディアで報じられ、米国の著名な政治学者イアン・ブレマー氏がネットに載せて「だから私たちは五輪をやるんだ」とツイートすると、2万件以上リツイートされた。
イの母親は日本人で、山口県下関市で生まれ育った。3年前、父の祖国で体操選手になろうと、単身で韓国に渡った。「五輪は政治的なこととは関係ない。仲良くできたらそれでいい」と話している。(リオデジャネイロ=牛尾梓)