嘉手納―前橋育英 七回表嘉手納無死満塁、知花は左前に2点適時打を放つ=伊藤進之介撮影
(11日、高校野球 嘉手納10―3前橋育英)
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■嘉手納・知花拓哉捕手
物静かな4番の一打が仲間を乗せた。七回。1点差に詰め寄り、なお無死満塁から左前へ逆転の2点適時打。主砲が「一人が打つとボンボン打つ」という打線は、この回8点を奪った。
「ミスを取り返せてホッとした」。気にしていたのは、捕手としての三回の守備だ。1人目の二盗は刺したが、相手はまた走者を出すと走ってきた。このときの二塁への悪送球が逆転を許すきっかけを作った。
挽回(ばんかい)した七回の打席は、「相手は変化球が入っていなかったので、直球で来ると思った」。捕手らしい読みで打つと、盛り上がる仲間や応援席とは対照的に、控えめに拳を握った。
「みんなノリノリで踊り出すけど、知花はおとなしい」と大蔵監督。そんな扇の要が、最後のアウトを空振り三振で奪うと右手でボールを掲げた。嘉手納の甲子園初勝利。「相手は格上だった。自分たちの野球が出来て良かった」(上山浩也)