げるまキャンプで知花くららさん(中央奥)と遊ぶ子どもたち=2018年5月30日午前10時49分、沖縄県座間味村、金子淳撮影
モデルの知花くららさん(36)が年1回、福島県の親子を祖父の故郷である沖縄県の慶留間(げるま)島へ招く「げるまキャンプ」が7回目を迎えた。原発事故で不安を抱く親子の助けになりたいと、東日本大震災の翌年から続ける。今回は6月2日まで、海遊びや地元の子どもたちとの交流を楽しんでもらう。
【特集】沖縄はいま
「しょっぱいよ!」。30日、参加した3~9歳の子どもたちと母親計20人のうち、いわき市の馬目晏寧(まのめあんな)ちゃん(5)は海から顔を上げて目を丸くした。「海は初めて。魚も見えた」と満面の笑み。母直美さん(46)は「何も気にせず遊ばせられるなんて、本当にありがたい」と喜んだ。
慶留間島は、那覇市から高速船で約1時間の阿嘉島と橋でつながる場所にある。知花さんがこの地でキャンプを始めたのは2012年。東京電力福島第一原発事故後に訪れた福島県で、母親から「放射線が怖くて子どもを外で遊ばせられない」と聞いたことがきっかけだった。故郷の沖縄の海で思う存分遊んでほしいと、交通費や食費などは知花さんと所属事務所が負担する。
知花さんは、キャンプの目的が理解されないと感じ、「本当に必要とされているのか、わからなくなることもあった」と振り返る。だが「お母さんに、日々の葛藤を少しでも休めてほしい」と続けている。
前回から島の子どもに福島の現状を説明し、一緒にエイサーなどで交流もする。「福島と沖縄の真ん中に私が立って、お互いがハッピーになってくれれば」。日焼けした子どもたちを見つめて言った。(伊藤和行)