自主トレのフリー打撃で打ち込むソフトバンクの甲斐=福岡県筑後市
育成出身初のベストナイン、育成出身捕手初のゴールデングラブ賞に昨季輝いたプロ野球・ソフトバンクの甲斐拓也捕手(25)が9日、福岡県筑後市のファーム施設で自主トレーニングを公開した。別行動で練習していた育成ドラフト同期の千賀滉大投手(24)と今年初めて顔を合わせると、早速球も受けた。「千賀の顔を見て、ちょっとテンションが上がっちゃった」とノリノリで破顔し、「同期愛」を見せていた。
飛躍のシーズンとなった昨季、甲斐は捕手でチーム最多103試合に出場。2年連続2桁の13勝を挙げた千賀との「育成バッテリー」で日本一に貢献した。
オフの契約更改では、推定年俸も甲斐が4倍超の4千万円に、千賀は育成出身で球団初の1億円を超えた。千賀は「(年俸)270万円から始まって給料が上がっていくのはうれしいし、それだけ僕ら2人も練習をやってきたのかな」としみじみ話していた。年末もともにテレビ出演するなど多忙に過ごし、甲斐は「ありがたいことに今までと違うオフでしたけど、体調面もばっちり」。
今月4日から故郷・大分で始動した甲斐は、この日が筑後での初練習だった。フォークも交えた千賀の投球を座って受けた。「軽く投げると思ったが、意外と強い球を投げてきて、めっちゃ痛かった」
単独で行う予定の自主トレのテーマに掲げるのが、打率2割3分台にとどまった打撃の強化だ。昨秋にオーバーエージ枠で初選出された侍ジャパンで同僚だった日本ハム・近藤健介捕手(24)の助言を受け、ボールの内側をたたく意識で逆方向に打球を飛ばし、すり足打法にも挑戦中。フリー打撃では、グリップが太いバットを試すなどして汗を流した。
8年目のシーズンで目指すのは、正捕手の座だ。昨季バッテリーを組んだ先発投手は東浜や千賀らが中心で、ベテランの和田やバンデンハークの時は高谷がマスクをかぶることが多かった。「色んな方とマスクをかぶれるように、真の(扇の)要になれるよう頑張りたい」と意欲を示した。(甲斐弘史)