タイ・ホアヒンで12日、爆弾の爆発で負傷した男性の治療にあたる救急隊員ら=AFP時事
タイ南部を中心に11日夜から12日午前にかけて爆発が続いた。12日は王妃の誕生日を記念した「母の日」で、タイは休日。王室を敬う同国で、通常は祝賀ムードに包まれる日に立て続けに起きた事件に、国民の間では衝撃が走った。
タイで連続爆発、3人死亡30人以上負傷 保養地など
事件の背景は現時点では不明だが、タイは近年、国内に様々な対立構図を抱え、政治・社会情勢が不安定化している。現在、クーデター後の軍事独裁体制下にあり、7日の国民投票で新憲法案が承認され、来年後半の総選挙への道が開かれたばかり。ただ、軍部主導で書かれた憲法は非民主的だとしてタクシン元首相派らは不満を強めていた。
爆発があったホアヒンやプーケットは外国人観光客に人気の海浜リゾート地で、観光が基幹産業の一つであるタイにとっては打撃だ。軍は治安の維持を大義名分に独裁体制をしいており、軍部に対する影響もある。それを狙った犯行の可能性があると見る関係者もいる。南部は反タクシン派の地盤で、現在の軍主導の体制を支持する国民が多い地域だ。
爆弾による襲撃は、同国最南部…