襲名披露のお練りの後、成功祈願の法要で手を合わせる中村橋之助さん。左端は妻の三田寛子さん=29日午後、東京・浅草、越田省吾撮影
東京・浅草寺で29日に行われた、中村芝翫を八代目として襲名する歌舞伎俳優の中村橋之助さん(50)と、息子3人の襲名披露のお練りには、浅草芸者衆らも参加、約90人が隊列を組んで進んだ。沿道には約8千人の観客が詰めかけた。天候は不安定だったが、「八代目」「成駒屋!」と盛大にかけ声がかかった。
「中村芝翫」襲名へ祈願 橋之助さん、浅草寺でお練り
お練りの後、橋之助さんら親子4人は報道陣の取材に応じた。橋之助さんは28日の歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で橋之助の名前で出る最後の舞台を終えたばかり。「幕が閉まり、舞台袖に戻ると、大道具の人が全員整列してハイタッチしてくれ、役者さんも横断幕を掲げ、紙吹雪をしてくれました。たまらなかったですね。(橋之助の名を襲名してから)36年間いろいろなことがありました」と振り返った。
3人の息子たちは夢や今の気持ちを語った。四代目中村橋之助を襲名する長男の国生さんは「歌舞伎座のチラシの一番上にぼくたち3人の写真が載り、昼も夜も3人で主役をやって1カ月間歌舞伎座を開けられるような大看板になりたい」と言い、「昨日、父に『三代目(橋之助)よりも四代目の方がいい役者になります』と手紙を渡しました」と打ち明けた。
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