夏休み中の生徒たちの部活動の出席簿を見る教諭ら=愛知県安城市
夏休み明けごろに増える子どもの自殺を防ごうと、学校や民間団体が取り組みを進めている。夏休み中の子どもの様子を把握したり、駆け込み寺となる居場所を提供したり。「命を絶たなくても、君を支えてくれる人がいる」。そんなメッセージを届けたいという。
「間もなく新学期です。みんなで無事に迎えられるよう、生徒たちにも声をかけてください」。愛知県安城市の市立安城北中学校の職員室で26日、生徒指導担当の教諭がほかの教員に呼びかけた。毎朝、夏休み中の生徒たちの情報共有を促している。
この中学では夏休みになると、担任が部活動中に声をかけたり、家庭訪問をしたりして生徒に近況を尋ねてきた。今年から、顧問が持っていた部活動の出席簿を職員室で共有。急に部活を休んだ生徒らの変化に、他の教員も気付くことができる。
稲留雄一校長は昨年、夏休み明けに自ら命を絶つ子どもが増えると報道で知り、こうした取り組みに力を入れてきた。「生徒のことをわかった気になってはいけないけど、わかろうという姿勢は学校として持ち続けないといけない」と話す。
こうした自殺は、生活環境が大…