米中両政府は3日、2020年以降の地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」について、両国が必要な手続きを終え、締結したと発表した。世界の温室効果ガス排出量の約4割を占める米中が締結したことで、協定発効がほぼ確実になった。米ホワイトハウス高官は、早ければ年内にも発効条件が整うとの見通しを示した。気候変動問題を巡っては、両大国が協調して国際社会を引っ張る構図が鮮明になりつつある。
温暖化対策「パリ協定」とは
共同発表は、4日から中国・杭州で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が始まるのを前に打ち出し、各国に早期締結を呼びかける狙いがある。杭州で3日開いた式典で、習近平(シーチンピン)・中国国家主席は「両国が世界の問題を解決することへの共通の決意を示している。他の国にも同様の努力を促すことを期待する」と言及。オバマ米大統領も「パリ協定は地球にとっての転換点になるだろう。我々が決めた目標に世界を大きく近づけた」と強調した。
パリ協定は、1997年に採択された京都議定書に代わる新たな国際ルールとして、昨年末にパリで開かれた国連気候変動会議(COP21)で採択された。京都議定書で温室効果ガス削減の義務を負わなかった世界1、2位の排出国である中・米をはじめ、すべての国が削減に取り組む史上初めての枠組みだ。
発効には、55カ国以上が締結…