台風12号は4日午後3時現在、熊本県天草市の南西約90キロの海上をゆっくりと北に進んでいる。今後さらに北上し、4日夜から5日にかけて九州北部に接近、上陸するおそれがある。やや勢力が弱くなり風速25メートル以上の暴風域はなくなったが、気象庁は高波や浸水、河川の増水などへの警戒を呼びかけている。
気象庁によると、4日午後3時現在の中心気圧は990ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートル。5日午前3時には長崎県佐世保市の南約30キロに達する見込み。
鹿児島県の志布志市で4日朝、1時間に66・5ミリの雨量を観測。宮崎県西米良村でも4日午前、1時間に63ミリの雨が降った。5日正午までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで、九州南部と九州北部で200ミリ、四国、近畿で150ミリ、東海で120ミリ。
JR九州によると、4日午後2時半現在、吉都線の都城―吉松、日南線の南宮崎―志布志など一部の区間で始発から運転を見合わせている。日豊線の特急は4日午後から大分―宮崎空港間で運休になった。九州新幹線や、長崎線の特急かもめやみどりは始発から通常通り運行しているが、かもめやみどりは午後8時以降、運休や遅れが出る可能性があるという。
長崎市や佐世保市と五島列島を結ぶフェリーや高速船を運航する九州商船は4日の全便欠航を決定。韓国・済州島から4日に長崎港に入る予定だったクルーズ船の寄港も中止された。