東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するためラオスを訪れているオバマ米大統領は、6日午後に当地で予定していたフィリピンのドゥテルテ大統領との会談を取りやめた。米国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官が同日、明らかにした。理由は明らかにしていないが、人権問題などをめぐり、ドゥテルテ氏が米国批判を繰り返したことが原因とみられる。
フィリピンではドゥテルテ氏の就任後、麻薬犯罪の撲滅を名目に千人以上が正当な裁判をへずに警察に殺害され、国際社会の批判を受けている。ドゥテルテ氏は出国前の会見で、この大量殺人についてオバマ氏に問われるのではと質問され、「私にとっての主人はフィリピン人だけだ。敬意を忘れるな。疑問や声明ばかり投げかけるな」「会議でののしってやる」などと発言していた。
オバマ氏は5日、中国・杭州で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後の会見で、ドゥテルテ氏が米国批判をしていることに懸念を示した上で、「彼は個性的だ。彼と話すことが建設的かどうかを確認するように指示した」と述べ、会談の取り消しを示唆していた。
ASEAN関連首脳会議では、…