九電に対する原発停止再要請後、記者の質問に答える鹿児島県の三反園知事=7日午前10時51分、福岡市中央区の電気ビル共創館、河合真人撮影
鹿児島県の三反園(みたぞの)訓(さとし)知事は7日、福岡市の九州電力本店隣のビルで瓜生(うりう)道明社長に会い、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)を直ちに停止して再点検するよう改めて求める再要請書を手渡した。九電は週内にも回答する意向だが、即時停止に応じない方針は変えない。
三反園知事は8月26日に川内原発を直ちに停止するよう要請したが、九電は10月以降の定期検査入りまで稼働を続け、定期検査と別に追加の「特別点検」を実施する方針を今月5日に回答していた。再要請書では、九電が停止要請を拒んだことを「極めて遺憾」と批判。即時停止を重ねて求めるとともに、避難道路の整備や避難支援のための車両の追加など住民の安全対策の上積みを求めた。
三反園知事は「できるだけ早く停止して検証していただきたい。県民の安全を守るため、ぜひご英断を」と話し、瓜生社長は「真摯(しんし)に検討したい」と応じた。
再要請への対応について報道陣に問われた瓜生社長は、「特別点検を徹底的にやりたい」と述べ、即時停止を拒む考えを改めてにじませた。「住民の皆様の不安軽減には少しまだ足りないということでは」とも語った。避難道の整備への協力や避難車両の追加配備には応じる構えだ。
三反園知事の要請の背景には、4月の熊本地震後に高まった住民の不安がある。九電の回答のうち、特別点検の実施や避難車両の配備などについては一定の評価をしていた。