就任会見をした田内正宏・東京高検検事長=東京・霞が関
東京高検検事長に5日付で就任した田内正宏氏(61)が7日、記者会見した。「犯罪者が野放しにされれば社会秩序は維持できない。悪党を跋扈(ばっこ)させないことが必要だと考えている」と意気込みを語った。
大阪府出身。大阪地検刑事部副部長だった2001年、児童8人が殺害され、15人が重軽傷を負った大阪教育大付属池田小学校の殺傷事件が発生した。「落ち度のない児童が被害にあった悲惨な事件で記憶に残る」と振り返る。
その後、最高検公安部長や大阪地検検事正、広島高検検事長、名古屋高検検事長などを歴任した。「最近は振り込め詐欺などの特殊詐欺や投資詐欺など、人の善意につけ込む卑劣な事件が多い。的確に訴追して検察としての責任を果たしたい」。一方、犯罪被害者の保護や再犯防止にも力を入れるとし、「矯正や福祉といった機関と連携を進めていきたい」と語った。(伊藤和行)