安倍晋三首相
安倍晋三首相は8日、生前退位の意向を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明を受け、皇室制度の見直しについて、当面は生前退位の実現にテーマを絞って検討を進める考えを示した。訪問中のラオスの首都ビエンチャンで記者団に語った。
首相は「今回は天皇陛下が国民に向けてご発言されたことを重く受け止めている。国民からこの(生前退位の)問題に対応すべきだという意見が多数ある中で、我々も検討しなければならない」と語った。また、「様々な方の意見もうかがいながら静かに議論を進めていきたい」とも述べ、生前退位をめぐり有識者らからの意見聴取に取り組む考えも示した。
政府はいまの天皇陛下に限って生前退位を可能とする特別措置法を整備する方向で検討を進めており、10月にも有識者らから意見聴取を始める方針だ。
また、安倍政権が目玉政策に据える働き方改革をめぐり、同一労働同一賃金の実現に向けて「どのような(場合に)賃金差が正当でないと認められるのか、ガイドラインをつくって明らかにする。(関連)法改正も、ちゅうちょなく行っていきたい」と語った。(ビエンチャン=相原亮)