11日、ワシントンの国防総省で開かれた米同時多発テロの追悼式典で、演説するオバマ大統領=ロイター
米国で約3千人が犠牲になった2001年の同時多発テロから15年を迎えた11日、各地で追悼式典が開かれた。オバマ大統領はワシントン郊外の国防総省で演説し、「15年は長いと思うかもしれない。しかし、心の一部を失った家族にとっては昨日のことのようだと思う」と語った。
オバマ氏は、11年に首謀者の国際テロ組織「アルカイダ」のビンラディン容疑者を殺害したことを「裁きを下した」とし、対テロ戦の成果を誇った。
一方、アルカイダから派生した過激派組織「イスラム国」(IS)による脅威が増している。オバマ氏はテロの脅威が依然としてあるとしつつ、「アルカイダやISが米国のように偉大で強い国を負かすことは絶対にできない」と強調。「我々は恐怖に屈しない。自由を守り続ける」と語った。
米大統領選では、共和党候補のトランプ氏が排他主義的な発言を繰り返し、物議を醸しながらも支持を集めている。オバマ氏は、米国が様々な人種や宗教などの人々から成り立っていることを示し、「我々の多様性は弱点ではない。いまも今後も最大の強さであり続ける」と語った。(ワシントン=杉山正)