焼け焦げた病室を調べるファルージャ総合教育病院のアブドゥルサタル・イサウィ院長。立てこもっていたIS戦闘員が火をつけたという=5日、ファルージャ、渡辺淳基撮影
首都バグダッドから西へ約60キロ。イラクのファルージャでは、道路上に所々直径1メートルほどのくぼみがあった。仕掛けられた簡易爆弾を処理した跡だ。立体交差橋は崩落していた。過激派組織「イスラム国」(IS)がイラク軍の侵入を防ぐために壊したという。
イラク軍は6月下旬、2年半にわたってISが占拠したファルージャを奪還した。住民は避難し、立ち入りは制限されている。朝日新聞記者は5日、軍の許可を得て市街地に入った。住民のいない街は静寂に包まれていた。快晴で太陽が照りつける。風はない。
幹線道路沿いの建物の多くは、屋根や壁が崩れ落ちている。IS掃討作戦で部隊を率いたサード・ハルビア少将によると、ISとの市街戦は約1カ月続いた。解放後、1万2400個の簡易爆弾、158棟の家屋に仕掛けてあった爆弾を処理した。地下にはトンネルが張り巡らされ、総延長は数十キロに及んでいた。IS戦闘員の移動や物資の運搬に使われたという。
国立ファルージャ総合教育病院…