特殊詐欺と逮捕・書類送検された暴力団関係者の数
社債の購入をめぐるトラブルをでっち上げて、解決金を求める特殊詐欺で、高齢者から千数百万円をだまし取ったとして、大阪府警が12日、指定暴力団稲川会系暴力団の20代組員の男を詐欺容疑で逮捕したことが捜査関係者への取材でわかった。府警は既に仲間とみられる男約10人を逮捕しており、組員をグループの指示役とみて調べる。
組員は仲間と共謀して昨年12月、大手企業の担当社員を装って大阪府内の70代女性宅に電話し、「あなたの名義でうちの会社の社債が購入されている。名義貸しであり、犯罪だ」と指摘。解決金名目で千数百万円を詐取した疑いがある。
府警は12日午後、川崎市川崎区の稲川会系組事務所を家宅捜索した。
逮捕済みの男のうち数人は複数の特殊詐欺事件で起訴され、このうち無職の男(20)=神奈川県藤沢市=は昨年11~12月、大阪市や静岡市などの70~80歳代の男女5人から、似た手口で計約3千万円を詐取したとされる。起訴された事件では花王、ヤマハ、ソフトバンクの社名を挙げて社債や株を買うため名義を貸してほしいと打診。その後、同様の解決金名目で、神奈川県内の集合住宅などに金を送らせ、玄関の外で配達員を待ち受けて、住人を装って受け取っていたという。