東京都の築地市場(中央区)が移転を予定している豊洲市場(江東区)で、主要な建物の地盤で土壌汚染対策の「盛り土」がされていなかった問題で、都が遅くとも2011年3月から盛り土をしない方針だったとみられることが分かった。同時期に汚染対策を検討していた有識者の会議に十分な説明はなかった。
都によると、豊洲市場の施設の設計業務は、11年3月に大手設計会社・日建設計が都から受託。同年6月までに基本的な設計を作り、詳しい設計を13年2月に終えた。この作業当初から、主な施設の地盤に盛り土をせず、配管などを通す空間を設ける基本方針だったという。
敷地から環境基準を大きく上回る化学物質が検出されたため、大学教授らの専門家会議が08年7月、盛り土などの対策を提言していたが、3年後の設計作業では専門家の了承を得ないまま、別の工法に変更されていた。設計を作っていた当時も、別の有識者らによる「技術会議」でより具体的な土壌汚染対策が検討されていたが、都から会議委員に工法変更について十分な説明はなかったという。
専門家会議座長だった平田健正…