麻生太郎財務相は16日の閣議後の記者会見で、自民党の茂木敏充・政務調査会長が報道各社のインタビューで配偶者控除の見直しを明言したことについて、「茂木さんは税調会長になったのかなと思った」と不快感を表した。茂木氏の発言が、税制を議論する党税制調査会への「越権行為」に映ったようだ。
「夫婦控除に所得制限も」 自民政調会長、検討を表明
税調は政務調査会の下部組織だが、自民党では伝統的に税制は税調が独占的に議論するとされ、かつては党総裁の首相の指示を覆したこともある。麻生氏は「政調会長から(税の話が)きたのは、過去何十年かで初めてだろうな」と皮肉った。
麻生氏は「(専業主婦が)家庭で家事をきちんとしていることの価値をどう評価するのか。うかつな議論は危ないという感じはする」とも述べた。専業主婦の優遇と指摘される配偶者控除の見直しが、「働き方改革」を打ち出した政権や党幹部主導で進むのを牽制(けんせい)したとの見方もある。