自転車ロードレースのハンドサイクルで銀メダルを獲得した元F1ドライバーのアレッサンドロ・ザナルディ(右)
9月15日。15年前、自動車レースで大事故を起こして両足を失った因縁の日に、銀メダルを獲得した。
リオパラリンピック
リオパラ日程・記録
イタリア人の元F1ドライバー、アレッサンドロ・ザナルディは、手でペダルをこぐ自転車ロードレースのハンドサイクルで、パラリンピック通算五つ目のメダルを手に入れた。「とても素晴らしいし、幸せだ」
1周15キロのコースにある3カ所のヘアピンカーブでは、カーレーサーとして培ったコース取りが生きた。4周目の最後のカーブを曲がり、直線で接戦に。惜しくも2位でゴールしたが、自転車で勝者に近寄り肩に手を置き、祝福した。
15年前のこの日にあったレースで、ザナルディのマシンは後続車に衝突され、真っ二つに割れた。大量出血で生死の境をさまよい、両足とも太ももから下を失った。「トイレに行くことすらできなかった」。そこからパラリンピアンとして復活した。2012年ロンドン大会ではこの競技で金二つに銀一つを獲得。今大会は前日の14日にタイムトライアルで金メダルを手にした。「100%悪いことなどない。私に降りかかった事故ですら、人生に素晴らしい機会を与えてくれるきっかけになったのだから」(後藤太輔)