土砂降りの中、傘を差して横断歩道を渡る女性=19日午後6時、宮崎市、福岡亜純撮影
非常に強い台風16号の影響で九州各地では19日、激しい雨と風に見舞われたところがあった。住民らは、接近と上陸に備えた。
台風16号、19日夜以降九州南部上陸へ 今年6個目か
熊本地震で大きな被害が出た熊本県南阿蘇村は19日、土砂災害の危険性が高まっているとして、1917世帯の4649人に避難指示を出した。熊本市も7172世帯の約1万6500人に避難勧告を出した。市によると、午後6時半までに309人が避難した。
地震後、約200人が避難を続ける益城町の町総合体育館では、屋外のテントが風で飛ばされないように、業者がシートを外したり杭を打ち込んだりした。梅村政子さん(75)は、地震で大規模半壊した自宅が台風でさらに被害を受けないか気をもんでいた。「瓦や屋根が飛ばされないか心配です」
宮崎県では午後11時45分に門川町の一部で避難指示が出たほか、宮崎市などでは避難勧告が出た。午後9時現在、25市町村で自主避難も含め578世帯828人が避難した。
鹿児島県内でも19日午後8時現在、鹿児島市や姶良市など約1万9千世帯、約3万9千人に避難勧告が出された。長崎県でも同日夕までに西海市や波佐見町の全域、長崎市と佐世保市の一部に避難準備情報が出された。
福岡県飯塚市では19日、自主避難者のために公民館などを開放した。穂波公民館では、風雨が強まった18日午後から、近隣の住民が避難してきた。19日午後8時までに高齢者ら9世帯15人が集まった。
香川喜代照館長によると、「家にいるよりも安心できる」と話す人が多かった。台風が近づいた19日の夜も「避難したい」との問い合わせが相次いだ。