「手をつなぐ」9月号の表紙。障害者とその家族の笑顔をたくさん掲載した=全国手をつなぐ育成会連合会提供
知的障害者とその家族約20万人で組織する「全国手をつなぐ育成会連合会」は21日、会報誌「手をつなぐ」9月号を発行した。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件を受け、「差別や偏見をはねのける社会にしたい」と、実名でのメッセージを募った。笑顔の写真200枚以上が掲載されている。
「ダウン症の妹が同じ状況に置かれていたらと思うと、心がしめつけられます」。愛媛県の高橋加奈さんはそうメッセージを寄せた。「障害者はいない方がいい」といった植松聖(さとし)容疑者(26)=殺人容疑で送検=の供述に対し、インターネット上では同調する意見もあり、東京都の宮沢百合子さんは「本当に悲しくなります」と書いた。
神奈川県警は「障害者施設で起きた事件で、プライバシー保護の必要性が高い。遺族も匿名を強く希望している」として被害者の名前を公表していない。会は匿名を望む家族の気持ちを理解しつつ「誰もがかけがえのない尊い命。お互いの人格と個性を尊重し、支え合う社会を目指すことが大切だ」として、会員に実名でのメッセージと笑顔の写真を募った。東北や四国、中国地方など全国から数百の応募があり、14のメッセージと200枚以上の写真を載せた。
「やっと授かった宝物。娘のお…