IMFの中国出身の幹部らと記念撮影に応じるラガルド専務理事(中央)=9月30日、ワシントン、五十嵐大介撮影
中国の人民元が、1日から国際通貨基金(IMF)の「主要通貨」に加わった。これに先立ち、IMFのラガルド専務理事は9月30日、記者団に対し、「中国経済が世界の金融システムに融合するうえで重要な一歩だ」と話した。
中国を意識したとみられる花柄の刺繡(ししゅう)が入った服で現れたラガルド氏は、「中国が進める金融や為替制度の改革の進展を反映したものだ」と指摘。「これらの努力の継続は、より強固な国際金融システムをもたらす」として、さらなる改革を促した。
一方、中国の中央銀行、中国人民銀行は1日、「金融改革をさらに深め、金融の開放を拡大する機会とする」との声明を出した。
IMFは1日から、加盟国の出資額に応じて割り当てる仮想通貨「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨にドル、ユーロ、円、ポンドと並んで人民元を正式に加える。構成通貨の変更は、ユーロが発足した1999年以来となる。構成通貨入りは人民元の国際化を進める中国の悲願だったが、中国は金融取引で多くの規制を残していることから、真の主要通貨入りはまだ先との見方が多い。(ワシントン=五十嵐大介)