襲名披露口上。左から四代目中村歌之助さん、三代目中村福之助さん、四代目中村橋之助さん、八代目中村芝翫さん=松竹提供
歌舞伎俳優の中村橋之助改め八代目中村芝翫(しかん)さん(51)の襲名披露公演「芸術祭十月大歌舞伎」が2日、東京・歌舞伎座で始まった。2011年に父の七代目芝翫さんが亡くなって以来、5年ぶりの歌舞伎界の重要な名跡の復活だ。四代目中村橋之助、三代目中村福之助、四代目中村歌之助を、それぞれ長男の国生(くにお)さん(20)、次男の宗生(むねお)さん(18)、三男の宜生(よしお)さん(15)も襲名、親子4人そろっての珍しい披露公演となった。
口上で、新・芝翫さんは「私にとりまして誠に大きな大きな名跡でございますが、先祖の名を汚さぬようなお一層芸道に精進いたします。ごひいきご後援のほどひとえにお願い申し上げ奉りまする」、父の名を継いだ橋之助さんは「責任を心に刻み、3人兄弟、力を合わせて芸道に精進いたします」、福之助さんは「父と兄弟3人、手を携えて芸道に精進します」、歌之助さんは「父、兄2人と襲名披露、このような喜びはございません」とそれぞれ述べ、深々と頭を下げた。満員の約2千人が詰めかけた客席からは「成駒屋!」「八代目!」のかけ声と拍手がわき起こった。
東京での披露公演は11月まで続く。10月は26日まで、11月は1~25日。(山根由起子)