通販大手アマゾンジャパンの電子書籍の読み放題サービスをめぐり、人気本多数がラインアップから外れた問題で、講談社など出版複数社の全タイトルが外れたことが3日、わかった。
アマゾン読み放題、人気本消える 利用者多すぎが原因?
このサービスは「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」。8月3日に小説やコミックなど和書を計約12万冊を集めてスタートした。講談社によると、開始から1週間ほどで人気上位の十数タイトルが外れ、9月30日夜以降、同社の約千タイトル全てが外れたという。関係者によると、同社のほか光文社など複数社の全てのタイトルが外れた状態になっている。光文社は「提供した約550タイトルが全て外されており、元の契約通りのサービス継続を求めていく」という。
同サービスで、アマゾンは年内に限って規定料に上乗せして料金を支払う契約を一部の出版社と結んだ。しかし、ダウンロード数が想定以上に及んで支払額がかさんだため、アマゾン側は「予算が不足した」と契約の見直しを求めていた。ある大手出版社によると、さらにアマゾンは、9月で上乗せをやめ、「了解が得られない場合は人気のあるタイトルから、ラインアップから外していく」と通告したという。
講談社は「アマゾン社の配信の一方的な停止に対して強く抗議する」とのコメントを発表。一方、アマゾンジャパンは「個別の取引関係についてはコメントを控える」としている。(塩原賢)