熊本地震で大きな被害を受けた熊本城について、熊本市は11月1日から、復興を支援する「復興城主」を募る。1万円以上の寄付をした個人や団体が「城主」となり、観光施設の入場料が無料になるなどの特典を受けられる。
復興城主の制度は、復旧への息の長い支援を募ることが目的。1万円以上の寄付をした「城主」には「城主証」のほか、田原坂西南戦争資料館(北区植木町)などの施設の入場料が無料になる「城主手形」を交付する。また、熊本城公園内の観光施設「桜の馬場城彩苑」にスクリーンを設け、城主番号や氏名を入力すると「城主」の氏名が映し出されるようにする。地震前に復元事業を支えるために募っていた「一口城主」の名前も映される予定だ。
4月の熊本地震では、熊本城の石垣約50カ所が崩落。13の重要文化財建造物や20の復元建造物が被災した。市は熊本城を復興のシンボルとして、天守閣を3年で、石垣など城全体を20年で復旧させる方針だ。
費用は630億円を超えると見られており、市は激しい揺れに耐えた天守閣の「落ちなかった瓦」の提供なども検討している。熊本城総合事務所の梅田雄介所長補佐は「多くの方に城主になっていただきたい」と話している。
申し込みや問い合わせは同事務所(096・352・5900)へ。(奥正光)