九州電力は、5日夕方から川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉の出力を下げ始め、6日未明から定期検査に入る。東日本大震災後の新しい規制基準下で、国内原発では初の定期検査となる。12月上旬に再稼働する予定だが、その際は原発の即時停止を要請した鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事の対応も焦点になる。
特集:川内原発
川内原発は1号機が昨年8月、2号機が同10月、新規制基準下で全国に先駆けて再稼働した。検査は原子炉等規制法で義務づけられており、原則として営業運転開始から13カ月以内に実施される。今回、1号機で124項目の検査を実施する。うち事故時に水素爆発を防ぐ装置の検査など16項目は、新規制基準以降の新たな検査項目となる。
九電によると、5日夕方から核分裂反応を抑える作業を実施して、1号機の出力を徐々に下げる。6日午前1時には発電と送電を切り離し、同日午前中にも原子炉を止める。原子炉を再び動かすのは12月8日ごろの見込み。順調に行けば、来年1月6日に定期検査を終え、営業運転を再開する予定だ。
川内原発を巡っては、三反園知事が、県民の不安軽減のため即時停止を2度にわたり要請した経緯がある。三反園知事は、定期検査とは別に九電が実施している熊本地震を受けた「特別点検」を視察する意向だ。運転再開について「最終的には私が決断を下したい」(三反園知事)と語っており、再稼働の際にどう対応するかが注目される。(柴田秀並)