ブリュッセルで5日に開かれたアフガン支援国際会合の閉幕後、記者会見するガニ大統領=乗京真知撮影
アフガニスタンの復興に向けた支援策を議論する「アフガン支援国際会合」は5日、国際社会が2017~20年の4年間で152億ドル(約1兆5700億円)を援助することで最終合意し、閉幕した。援助額は5年前の援助水準の約6割にとどまった。国際支援が先細るなか、アフガン政府は「自立」に向けた改革を迫られる。
支援国際会合、アフガンへ年3千億円超援助へ
アフガン支援、年400億円 日本17~20年に拠出へ
会合はアフガン政府と欧州連合(EU)が共催し、75の国と26の機関が集まった。援助総額は年間ベースで38億ドル。EU関係筋によると、内訳は米国の年約11億ドルを筆頭に、ドイツが年約4・5億ドル、日本が年約4億ドル、英国が年約2・7億ドル、EUが年約2億ドルなど。過激派組織「イスラム国」(IS)や移民・難民の対策に資金を割くなか、多くの国が援助水準の維持か削減に傾いた。
タリバーン政権が倒れて15年近くたつアフガンは、いまも各地で戦闘が続き、国家予算の7割を援助に頼る。一日約140円未満で暮らす貧困層が39%を占め、腐敗の撲滅や選挙制度の見直しは道半ば。改革が遅れれば、その分野の援助も止まる。会合後の記者会見でガニ大統領は「政治的な意志を持って汚職撲滅に取り組む」と決意を述べた。(ブリュッセル=乗京真知)