三菱重工業が財務基盤強化のため、事業のリストラに踏み出す。手持ちの資金を厚くし、グループの三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機MRJなど将来への投資に備える。エネルギーや機械などの中核事業に集中し、海外勢に対抗する。
近く、工場、施設の管理や不動産事業などを手がける非上場の完全子会社「菱重ファシリティー&プロパティーズ」(東京都、従業員2千人)を売却する手続きに入る。同様の事業を手がけるグループ8社を統合して今年1月に発足したばかりだが、外資系投資ファンドや日本の住宅メーカーが関心を示している模様だ。今年度中にも売却を完了させたい考えで、売却額は1千億円程度の見通し。
三菱重工は2017年度までの3カ年事業計画で、総額2千億円程度の土地・株式を売却し財務体質を強化する方針を掲げていた。計画実行期間が半ばを過ぎ、MRJの度重なる納期遅れで予想を超える開発資金がかかっているため「菱重」の売却に着手した。
財務面の取り組みに加え、電力…