衆院予算委で、民進党の山尾志桜里氏の質問中、自席から発言する安倍晋三首相(右)=12日午後1時28分、岩下毅撮影
12日の衆院予算委員会で、自民党の憲法改正草案をめぐって、民進党の山尾志桜里・前政調会長が安倍晋三首相と白熱した論戦を繰り広げた。持論の改憲論を徹底的に封印する首相にその理由をただそうとする山尾氏。一方の首相は「いよいよ憲法審査会でご議論いただく段階になり、私は自民党総裁として発言することは控えた方が良いと判断した」と反論したが……
山尾氏「改憲に答弁義務」 首相「答えられない場合も」
民進・山尾志桜里氏 この国会、とても冗舌な総理が、突然貝のように答弁をしなくなる場面が何回かありました。自民党改憲草案について質問された時です。
例えば10月5日、(民進の)蓮舫代表から草案について質問された時、「政府の統一的な見解について、自民党草案について述べることはできない」と繰り返しおっしゃり、答弁を拒否されていらっしゃいます。同じ日、自民党の高村副総裁も「内閣には憲法改正について何の権能もなく、政府の統一見解はそもそも存在しない」とおっしゃっています。「総理は憲法改正について答弁する権能がない」。これはいつ、誰が決めた論理ですか?
安倍晋三首相 私は「権能がない」ということは申しあげておりません。申しあげているのは、内閣を代表して、つまり政府が出している法律案、あるいは予算という議案について、政府を代表して述べなければいけないわけであります。それ以外のことについても論評する場合はありますが、憲法上義務を負っているのは、まさに政府を代表して述べられることであろうと思うわけです。政府が(憲法改正案を)発議するかどうかは議論があるところで、私は「権能」ということは申し上げていませんが、私は、政府を代表する立場としての総理大臣としては、まさに議案について政府を代表しての考え方を述べる立場であるということではないかと思います。
山尾氏 じゃあ、お尋ねします…