熊本地震は14日、前震の発生から半年を迎えた。最大震度7を2回観測した一連の地震では、家屋の倒壊などで50人が亡くなった。体調悪化などによる「災害関連死」の死者は55人、6月の豪雨では地震でゆるんでいた地盤の崩落などで5人が亡くなり、犠牲者は計110人にのぼる。
特集:熊本地震
家屋の被害は熊本、大分両県合わせて18万棟に及び、解体が進まないまま、被災当時の姿を今に残しているものも多い。
一方で、応急仮設住宅やアパートなどを自力で探して申請する「みなし仮設」への入居が進み、一時は18万人を超えた避難者は13日現在で200人程度。855カ所あった避難所も9カ所となり、今月中には1、2カ所を残して、ほとんどが閉鎖される見通しだ。
甚大な被害を受けた熊本県益城町惣領(そうりょう)ではこの日、カラオケ教室を開いている最中に亡くなった荒牧不二人さん(当時84)の倒壊した自宅を、60年来の友人という西村治信さん(83)が訪れ、そっと手を合わせた。荒牧さんの自宅は8月末から解体が始まった。西村さんは「ようやく解体が進み始めた。でも、まだまだこれからなんだろうね」と話した。