国王が入院していたバンコク西部のシリラート病院では、国王の死去が発表された後、夜が更けても大勢の人がぼうぜんとした様子で座り込み、祈りを捧げていた=13日夜、乗京真知撮影
70年間にわたって在位したタイのプミポン国王(88)が13日に死去したことを受け、国会にあたる国民立法議会は同日夜、緊急に議会を招集、憲法規定に沿ってワチラロンコン皇太子(64)に即位を要請することを決めた。皇太子の王位継承が決まった。
ただ皇太子は「今は国民と悲しみをともにしたい」と即位の法的手続きを「適切な時期」まで待つよう、プラユット暫定首相に伝えたという。
タイ暫定憲法によると、国王が死去した場合は、国王が生前に任命していた王位継承者を内閣が国会議長に通知し、議長は了承を得るために国会を招集。議長が後継者に即位を要請し、それを国民に公示するとしている。皇太子は1972年に継承者任命を受けた。
プラユット氏が記者団に語ったところでは、同氏は13日夜に皇太子に謁見(えっけん)。皇太子はすぐには即位せずに王位継承者としてしばらく王室の責務を果たしたい意向を示したという。
地元報道などによると、プミポン国王の遺体は14日午後、病院から王宮に移される予定。葬儀をはじめとするこれからの日程についての発表はまだない。
一方、タイは14日から服喪期間に入った。政府は政府関係機関については1年間とし、一般国民には30日間の娯楽自粛や適切な行動を求めている。(バンコク=大野良祐)