自動車メーカー・マツダの社員寮(広島市南区)で男性社員が殺害され、現金が奪われた事件で、広島地検は14日、寮に住んでいた社員の上川傑(すぐる)容疑者(20)を強盗殺人罪で起訴し、発表した。上川容疑者は逮捕段階で容疑を認めていたが、地検は認否を明らかにしていない。
起訴状などによると、上川容疑者は9月14日午後3時35分ごろ、同市南区向洋(むかいなだ)大原町の「大原寮」の非常階段2階の踊り場で、同僚の菅野(すがの)恭平さん(19)の顔面を床などにたたきつけ、その後、消火器で後頭部や背中を殴りつけて失血死させ、菅野さんの現金約120万円を奪ったとされる。
これまでの県警の捜査で、事件前に2人で一緒に防犯カメラのない非常階段の出入り口から寮を出ていたことが新たに判明。その後、菅野さんは金融機関の窓口や現金自動出入機(ATM)で口座から現金計約120万円を引き出していた。上川容疑者は事件後に奪った金を自らの口座に入金したという趣旨の説明もしているが、経緯や動機については詳しい供述をしていないという。
県警はまた、2人の携帯電話の履歴やSNSの投稿内容などを調べたが、やり取りは確認できなかったとしている。