東京都の豊洲市場(江東区)の主な建物下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、建物下の地下空間の大気から、国が示す指針値の最大7倍の水銀が検出されたことがわかった。15日から始まった都の専門家会議に報告され、今後、安全性が検証される。
特集:豊洲移転問題
地下空間の大気は、都が先月29~30日と今月6~7日の2回、市場の主な3施設で水銀、ベンゼン、シアンを対象に調べた。水銀は2施設で1立方メートルあたり0・044~0・28マイクログラムを検出。「健康リスクの低減を図るため」として国が示す指針値は同0・04マイクログラムで、検出値は最大7倍だった。ベンゼンとシアンは指針値を下回っていた。
環境省の審議会は2003「指針値」について「短期的に上回る状況があっても、直ちに人の健康に悪影響が表れるようなものと解するべきではない」としている。
一方、地下空間にたまった水も同時期に調査した結果、いずれも環境基準を下回っていた。
豊洲市場の安全性をめぐっては、15日午後に初会合が開かれた都の専門家会議で検証される。同会議は2008年に盛り土を含む土壌汚染対策を提言したが、先月に問題が発覚したため、小池百合子都知事の要請で再開された。