東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔助教 [PR] 「熊本地震」という言葉と一緒に、どんな語句がインターネットで検索されていたのか――。その「第2ワード」の傾向を、熊本と全国とで比較してみた。今年4月の地震発生から半年間の変化をみると、熊本での検索ワードからは、被災地ならではの関心の移ろいが浮かんできた。 特集:検索データが語る熊本地震6カ月 ■6月から増え始めた「半壊」
2016年4月14日~9月25日までにYahoo! JAPANで「熊本地震」と一緒に検索された語句「第2ワード」の「半壊」の検索量の動き。熊本県内からの検索と、熊本県を除く全国からの検索に分けて抽出した 検索大手ヤフーが分析した。 【熊本地震 ○○】 人々が熊本地震に関連した検索をした際、「○○」にどのような語句を入れていたのかをみた。月ごとに、とくに多かった語句を抽出した。 その結果、6~8月に目立って多かったのが【半壊】だった。 自宅の修理などに公的な補助が出るかどうかは、「半壊」と認められるかで決まる。被災者にとっては、切実な線引きとなる言葉で、そのニーズの変化が検索結果にも表れていた。 東北大学災害科学国際研究所・佐藤翔輔助教は、検索された語句について「その時の感情が言葉になりやすいツイッターと比べ、被災者のニーズが具体的に表れやすい」と指摘する。そのうえで、「語句だけに注目するのではなく、『半壊と認められるには?』など、文章で検索された例を抜き出すことで見えてくるニーズもあるのでは」と話す。 ■関心減った時期の検索語句ほど切実 地震から3カ月たった7月以降、「熊本地震」とあわせて検索された語句は、その種類が極端に少なくなった。「熊本地震」そのものの検索数も、一番多かった5月9日を100とした割合が、7月は10から20となり、1桁にまで下がる日も少なくなかった。 一方で、【義援金】【医療費免除】【グループ補助金】などの語句は、7月以降も高い関心を維持していた。
2016年4月14日~9月25日までにYahoo! JAPANで「熊本地震」と一緒に検索された語句「第2ワード」の「義援金」の検索量の動き。熊本県内からの検索と、熊本県を除く全国からの検索に分けて抽出した 佐藤助教は「関心が低くなった時期でも検索されていた語句には、被災者の切実なニーズが表れる」と指摘する。 また、佐藤助教は検索語句だけでなく、ユーザーの行動履歴にも注目する。 「どのページをクリックした後に検索をやめたのかがわかれば、より具体的なニーズが見えてくるのではないか」
「熊本地震」と一緒に検索された第二ワード「グループ補助金」の9月の順位。熊本県内と全国について、その月に一番多く検索された語句を100とし、それぞれ語句の検索数を相対的に比較した 検索サービスでは、ある語句を検索すると、関連性が高いページが上から並ぶ。ただ、災害時にしか検索されないような特殊な単語は、システムにもデータの蓄積がないので、検索の精度は落ちてしまう。 被災者がいくつものページにアクセスしているようなケースでは、それだけ強く情報を求めていたことがうかがえる。 ■検索データをどう活用するか こうして「被災者のニーズ」が浮かんでくる検索データを、次の災害時に生かすことはできないのだろうか。 佐藤助教は、被災地以外で、リアルタイムに分析する仕組みを提案する。
震度7を記録した益城町の役場に設けられた災害対策本部=2016年4月15日、熊本県益城町 大規模な災害が発生すると、被災地の自治体では断続的に対策会議が開かれる。初期のころは1日に複数回あることも少なくない。 会議では短時間で様々なことを決めていかなければならない。佐藤助教は「このときにリアルタイムの検索データを共有できれば、肌感覚で下している決断に妥当性を与えることができる」と指摘する。
熊本地震の非常災害対策本部会議であいさつする安倍晋三首相(左手前から2人目)=2016年4月27日 一方で、自治体の担当者は、被災現場からの情報や、県や国との調整などに追われ、検索データの分析までカバーすることは負担が大きいのも事実だ。 「東京など被災地以外のオフサイトで検索データの分析をしてもらい、変化を可視化してもらう。リアルタイムで重要な語句を抽出するシステムがあってもいい」 ■自治体関係者と考える場を 佐藤助教は「今後必要なのは、検索データが『使える』ということを、実際に災害対応をする自治体関係者に理解してもらうことだ」と強調する。
東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔助教 「災害で打撃を受けるのは、人口が少なく、ネットとの縁もない地域が多い。ITの専門家だけで議論を進めても、被災者の助けにつながりにくいのが現実。被災者の検索の動きと、行政側から被災者への情報の流れを検証し、不足している部分を可視化する。その上で、実際にどんなことに役立てることができるかを、現場の自治体関係者と話し合う場を作ることが必要だ」(奥山晶二郎) |
熊本地震と一緒に何を検索? 6月以降目立った「半壊」
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
中国の若者の輪郭:不動産価格・教育に一番関心あるのは?
中国の若者の輪郭:金融・環境保護に一番関心あるのは?
中国の家電業界にほとばしる新たな活力
成都市で駐車スペースのイラストが流行、依頼料金は千元以上
中国、2020年欧州特許庁での特許出願が過去最多に
女性消費者は何にお金を使っているか?
黄砂が過ぎ去り青空戻った北京 比較写真でその差はっきり
「アバター」が中国で再上映、世界歴代興行収入で首位に返り咲く
中国1-2月の工業付加価値額、実質増加率35.1%に
中国1-2月の社会消費財小売総額、前年比33.8%増の6兆9737億元
中日関係の全体的安定という基本的方向性は変わらない 報告書
習近平総書記が注目した「電気式オンドル」とは?
中国2月の社会融資総量1.71兆元増、M2は10.1%増
国境地帯の雪原を馬に乗りパトロールする人民警察 新疆
6割の業界で女性比率が上昇 新一線都市が女性に人気
大雪が降った四川省で交通整理をして「雪像」になった警察官が話題に
中国米国商会「在中国米企業にとって中国は一番目の投資先」
全人代代表が習近平総書記に「ネコ」の写真2枚を紹介
中国、家族の休暇旅行計画の決定権は7割が妻
武漢大学で桜の花見、1万人が訪れる
溺れた子供を救助し亡くなったタジク族の全人代代表、生前最後の提案が人民大会堂に
中国の国際特許出願件数、世界一をキープ
女性は健康関連消費の絶対的な中心 「女性経済」の中身は?
ユニクロが日本で9%の値下げ発表 中国は値下げの予定なし
中国の太陽光発電、累積設備容量が6年連続で世界一に

















