北海道砂川市で昨年6月、家族4人が死亡、1人が一時重体となった事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)の罪などに問われた建設業谷越隆司(28)と元解体工古味(こみ)竜一(27)の両被告=ともに北海道上砂川町=の裁判員裁判が17日、札幌地裁(田尻克已裁判長)で始まった。危険運転で5人を死傷させたとする起訴内容について、谷越被告は「共謀していないし、信号をことさらには無視していない」と否認。古味被告も「そういうことは全くない」と否認した。両被告の弁護人は「危険運転や共謀は成立しない」などと主張した。
起訴状によると、両被告は共謀して昨年6月6日午後10時35分ごろ、砂川市の国道12号で車2台で速度を競い合い、赤信号を無視して時速100キロ超で交差点に進入した。谷越被告の車が、左から交差点に入ってきた北海道歌志内市の新聞販売所従業員永桶(ながおけ)弘一さん(当時44)の軽ワゴン車に衝突。車外に投げ出された永桶さんの長男の昇太さん(同16)を古味被告が車で約1・5キロ引きずり、永桶さんと妻の文恵さん(当時44)、長女の恵さん(同17)、昇太さんを死なせたほか、次女の光さん(13)に大けがを負わせたなどとされる。
冒頭陳述で検察側は、両被告がスピードを競い合って車を走らせていたと指摘。「信号はお構いなしに高速で運転を続けて事故を起こした」と主張した。