竹に雄鶏図。縦102センチ、横29・8センチと小品ながら、竹と鶏の配置も絶妙だ=佐藤慈子撮影
京都市と京都府八幡市の社寺など21カ所で実施される「京都非公開文化財特別公開」(京都古文化保存協会など主催、朝日新聞社特別協力)は28日から本格的に始まる。江戸中期に活躍した奇想の画家、伊藤若冲(じゃくちゅう、1716~1800)の作品も伊藤家の菩提(ぼだい)寺・宝蔵寺で公開される。
秋の京都文化財公開
3年前、ミホミュージアム(滋賀県)の岡田秀之学芸員(40)に小島英裕(えいゆう)住職(49)が1幅の掛け軸を見せた。これまで、若冲の贋作(がんさく)とされ、桐(きり)箱にしまわれたままだった作品だ。
「偽物で……」と恐縮する小島さんに岡田さんは告げた。「本物です。いいものですよ」。若冲筆「竹に雄鶏図」だった。「紙や墨の性質を把握し、墨のにじみをコントロールして鶏の羽根を見事に描いている」と岡田さん。
寺には若冲筆の拓版画「髑髏(…