野党議員らから自身の発言を非難され厳しい表情を見せる山本有二農水相(左)=19日午後6時45分、岩下毅撮影
環太平洋経済連携協定(TPP)承認案をめぐり「強行採決」に言及したことについて、山本有二農林水産相は19日の衆院TPP特別委員会の理事会に出席し、発言を謝罪した。
TPP強行採決「議運委員長が決める」山本農水相が言及
これに先立ち、自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長は、東京都内のホテルで会談し、山本氏の問題について「(審議中の)この時期に緊張感が足りない」との認識で一致した。 会談では、公明党の井上義久幹事長が「問題発言だ。すぐ対応すべきだ」と抗議。自民党の二階俊博幹事長は謝罪し、菅義偉官房長官に「政府は緊張感をもってやってもらいたい」と伝えると応じた。菅氏は、誤解を招く発言を慎むよう、山本氏に注意した。菅氏は同日午前の記者会見で「政府として強行採決することはまったく考えていない」と述べた。
一方、民進党の笠浩史国対委員長代理は同日午前の記者会見で、「巨大与党をバックにした政府のおごり、ゆるみの極みだ」と批判。「審議前から理事が強行採決に言及したり、入り口から強行ありきという対応は絶対に許すことができない」と反発した。
山本氏は18日夜の佐藤勉・衆院議院運営委員長のパーティーで「強行採決するかどうかは、この佐藤勉さんが決める」と発言した。8月まで自民党国対委員長を務めた佐藤氏は、現在も同党の国会対策に影響力があるとされる。