東芝の不正会計問題で、証券取引等監視委員会は歴代の元社長から事情聴取を始めた。監視委はトップの主導で決算をよく見せかける粉飾をしていたとみており、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での刑事告発を視野に調査を進めている。
東京地検は東芝の不正会計問題について7月に「立件は困難」との見方を監視委に伝えている。だが、監視委は9月、西田厚聡、佐々木則夫、田中久雄の3人の元社長の刑事責任を追及するべきだとする調査結果を地検に報告。3人の聴取内容を踏まえ、地検に告発に向けた正式な協議を求めるか決めるとみられる。
監視委が問題視しているのは、東芝のパソコン部門の決算。調達した部品を製造委託先の台湾メーカーに販売し、完成品として買い戻す「バイセル取引」と呼ばれる手法をとっていた。3カ月ごとの四半期決算の最後の月に、大量の部品を販売して利益を計上。翌期に完成品を買い戻し、利益が消える会計処理を繰り返していたとされる。
これまでの調査で、パソコン部…