自宅を片付ける吉村俊治さん(74)。築70年を超える家の柱が折れて傾いた。「祖父の代から住んできたが建て直すしかない」と肩を落とした=22日午前8時27分、鳥取県北栄町、小玉重隆撮影
鳥取県中部で21日に震度6弱を観測した地震で、県内では2800人以上が避難所などで一夜を明かした。気象庁によると、22日正午までに観測された震度1以上の揺れは145回。気象庁は、1週間程度は最大震度6弱の強い揺れが起こる可能性があるとして警戒を呼びかけている。
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気象庁によると、21日午後の震度6弱以降、震度4を6回、震度3を20回、震度2を39回、震度1を79回観測した。これらの震源は、南北約10キロ強の範囲に帯状に分布しており、この地下に確認されていない断層があり、地震を起こしたとみられるという。青木元・地震津波監視課長は「増減を繰り返しながら続いていく。気を抜かないことが大切だ」と話す。
県災害対策本部などによると、県内の負傷者は22日午前7時までの集計で重傷1人、軽傷14人。行方不明だった三朝(みささ)町の男性(86)は同日朝、自宅裏で倒れているところを発見された。頭にけがをして衰弱していたが意識はあるという。
22日午前7時現在、避難所の駐車場で車中泊をした人も含め、2862人が避難所などに避難。判明している住宅の被害は、全壊3棟、半壊1棟。一部破損は161棟に上り、大半が屋根瓦の落下とみられている。
倉吉市水道局によると、地震後に最大約1万6千世帯で断水し、22日午前11時現在も約5600世帯で続いているとみられる。北栄町と湯梨浜(ゆりはま)町でも断水しており、給水車が活動している。
朝の冷え込みで寒さを訴えた人もいて、対策本部は暖房器具を整備することを確認した。混乱を避けるためとして、個人からの支援物資の受け入れを当面見合わせることを決めている。
鳥取地方気象台によると鳥取県内は23日にまとまった雨が降り、次第に風も強まる見込みという。