広島のジョンソン
プロ野球で最も活躍した先発完投型の投手に贈られる沢村賞の選考会(堀内恒夫委員長)が24日、東京都内であり、広島のクリス・ジョンソン投手(32)が選出された。外国人選手の受賞は1964年のバッキー(神)以来、52年ぶり。昨年の前田健太(現・大リーグ)に続き、2年連続で広島の投手が選ばれた。
今季は沢村賞の選考基準となる7項目を全て満たした投手はいなかった。4項目を満たしたジョンソンと菅野(巨)が最高で、両リーグ最多の16勝を挙げた野村(広)でも3項目。菅野は勝利数(9勝)で評価を落とし、選考委員5人のうち3人がジョンソン、残り2人が「該当者なし」という意見に割れたという。
堀内委員長が「喧々囂々(けんけんごうごう)の議論だった」という協議の末、セ・リーグ2位の15勝を挙げたジョンソンに決まった。主要タイトルを獲得していない投手の受賞は81年の西本聖(巨人)以来。「開幕から優勝まで、ローテーションを守り抜いて貢献した」(山田久志委員)など、安定感のある投球が高評価を受けた。
また、堀内委員長は完投数や投球回数の基準について「クリアすることが難しくなっている」と指摘。今後、基準の見直しを進め、先発投手が6回以上を自責点3以内に抑える「クオリティースタート」を選考に加味するかなどを検討するという。
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〈ジョンソンの話〉 祖母が日本人。「子供の頃から、いつか日本に行きたいと思っていた。日本で一番名誉ある賞に、言葉に表せないくらいに感激している」