信繁の書状原本の花押の部分=星海社提供
■真田信繁(幸村)の書状原文
(追而書) 返々、おほしめしより御飛札忝候、久々か様之住居ニて候へ者、何かたよりも見舞便状ニもあつかり候ハんとも不存候、御手前なと御心中更々可有御志等候とも不存候、神そく其分ニ候、切々人ヲ御越候儀御無用にて候、御用之事も候ハゝ無隔心可申入候、兎角々々年之より申候事口惜候、我々なとも去年より俄ニとしより、事之外病者ニ成申候、はなともぬけ申候、ひけなともくろきハあまり無之候、今一度遂面上度存候、以上、
幸村43歳、老いを嘆く 書状の原本110年ぶり発見
(本文) 遠路預御飛札候、如仰、当はる御慶不可有尽期、仍為御祝儀鮭二尺、被懸御意候、忝次第候、乍去、其許万方御手透も有間敷処、御隔心之至、却而迷惑いたし候、然ニ其方何も相 替儀無御座候由、市右物語具承致満足候、此方ニおゐても無事ニ御座候、うそかちけたる体、市右物語可被申候間、委申入候ニも不及候、もはや懸御目候事有間敷候哉、いつもいつも申つくし候、猶市右可被申候、恐々謹言、